労災の死傷者数が「過去20年で最多」に
厚生労働省が2022年1月から12月までの労働災害の発生状況を公表しました。
これによると、労働災害による死亡者数は昨年と比べ4人減の774人と過去最少となり、休業4日以上の死傷者数は1,769人増の132,355人と過去20年で最多となりました。(新型コロナウイルスの感染を除く。)
出典:厚生労働省「2022年 労働災害発生状況」
労働基準法により企業は補償責任を負うことになる
労働災害が発生した場合、治療費や休業補償、後遺障害に対する補償など、労働者が受ける損害に対する賠償責任を企業が負うことになります。
しかし、労災保険に加入している場合は、労災保険による給付が行われ、事業主は労働基準法上の補償責任を免れることができます。
労災の加入対象者とは
原則、正社員・パート・アルバイトなど、名称や雇用形態にかかわらず、労働者を1人でも雇っている事業場は加入義務があります。
労災保険の加入手続きを行わない事業主に対しては、行政庁の職権による成立手続きおよび労働保険料の認定決定が行われ、遡って労働保険料と追徴金が徴収される場合があります。
また、事業主の故意または重大な過失により、労災保険に加入していない期間中に労働災害が生じ、労災保険給付を行った場合は、遡って労働保険料と追徴金が徴収されるほか、労災保険給付に要した費用の全部または一部が徴収される場合はあります。
事業主の「特別加入」について
本来、労災保険は労働者の業務または通勤による災害に対して保険給付を行う制度ですので、企業の経営者といった事業主については、原則、適用対象外となっています。
しかし、事業主であっても、業務の実態や災害の発生状況などからみて、労働者に準じて保護することがふさわしい者がいます。
これが労災保険の「特別加入制度」と呼ばれるものです。
労災保険に加入しましょう
労災保険に加入するためには、所轄の労働基準監督署、公共職業安定所に必要書類を提出する必要があります。
また、事業主が特別加入をするには、労働保険事務組合に事務委託をする必要があります。
起業したばかりで正しく手続きできるかどうかわからないという方や、特別加入を希望される方は当事務所までご連絡ください。
社会保険労務士・行政書士 松本行政事務所