除雪業務の時間外労働の上限規制について
これからの降雪シーズンに向けて、除雪業務の時間外労働の上限規制について、ご相談を多数頂いておりますが、原則として除雪業務は時間外労働の上限規制の適用外となります。
根拠となる労働基準法第33条第1項では、『災害への対応(差し迫った恐れがある場合における事前の対応を含む。)、急病への対応その他の人命又は公益の保護の際など、臨時の必要がある場合、労働基準監督署に許可申請または届出を行った場合は、36協定で定める限度とは別に時間外・休日労働を行わせることができる』とされています。
ここでいう災害への対応とは 雪害 も含まれ、除雪作業に付随する業務として行う場合には以下の業務も対象となります。
○降雪前の見回り業務
○凍結防止剤の散布業務
○除雪機械の誘導・交通整理の業務
○除雪作業に向けた準備業務及び作業従事者の食事等を準備する業務
ただし、災害への対応にあたり、36協定で定める時間外労働の上限とは別に、時間外・休日労働を行わせる場合には、事前に行政官庁の許可を受けるか、緊急のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に届け出なければなりません。
また、時間外・休日労働を行った場合には通常どおり割増賃金の支給は必要となり、労働が長時間に及ぶ場合には従業員の健康障害の防止対策を行う必要があります。(有給休暇の取得促進、健康診断の実施、医師による面接指導など)
今回は労働基準法第33条の雪害についてまとめましたが、労働基準監督署へ確認したところ、「事業所で行う除雪業務の全てを災害への対応と判断するのではなく、より具体的な許可基準については個別に判断をしていく」とのことでしたので、降雪シーズンを迎える前に委託先の社会保険労務士等へ確認しておきましょう。
社会保険労務士・行政書士 松本行政事務所